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Story 27美男子のリンガー兄弟

 フレデリック・リンガーの次男シドニー・リンガーは父の死後にホーム・リンガー商会の後継者となり、南山手2番地の邸宅に妻と二人の息子と共に居を構えた。国指定の重要文化財としてグラバー園内に現地保存されている「旧リンガー住宅」である。

 シドニー・リンガーの息子たち、マイケル(大正2年(1913)生)とヴァーニャ(大正5年(1916)生)は子供時代を長崎で過ごし、イギリスの名門学校マルバーン・カレッジを卒業後、昭和10年ごろに日本へ戻り、長崎と下関の家業の後継者として新しい生活を始めた。マイケルとヴァーニャの若い兄弟はほこりを被った旧長崎居留地に新風を吹き込み、ホーム・リンガー商会と瓜生商会(下関におけるホーム・リンガー商会の支店)の活動に新たな期待を呼び起こした。リンガー家の庭師だった富田幾太郎の義理の娘である富田純子氏(故人)によると、地元の女の子たちは、美男子のマイケルとヴァーニャが近くを通り過ぎるたびにうっとりみとれていたという。家族アルバムの写真には、日本人の友人やナガサキ・クラブの先輩たちとともにポーズを取ったり、仮装舞踏会や料亭で遊んでいたりする兄弟の様子が捉えられている。

 戦後、歴史家のハロルド・S・ウィリアムズと文通したマイケル・リンガーは、当時外国人住民や旅行者に人気があった茂木のビーチホテルについて「独身時代の私と弟は、そこで中国から来た孤独な人妻や娘たちをもてなし、とても楽しい時間を過ごしたものだ」と回想している。

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